REITを分析する際には、REITの財務・運用のチェックも必要です。保有する物件は良かったのに、財務的にはボロボロで結局利益がでないなんてこともあるからです。ここでは、REIT(不動産投資法人)の法人についての見方を解説していきます。
REITがほゆする不動産資産以外にも、不動産投資法人として法人運営方針・状況についてもチェックが必要です。このページではそれぞれのREITが不動産の運用を行う上で、どれだけ効率的な運用ができているのか?ということを比較することができる指標やツールを紹介していきます。
NOI利回りとは、REITの資産効率性をみる指標です。企業の財務分析で利用する「ROA」に類似した指標で、賃貸物件から得られる総収益は運用資産(不動産)の価値に直してどの程度の利回りで運用できているかを分析するものです。NOI利回りが高いREITほど、より効率的な不動産運用ができているということになります。
>>NOI利回りの計算方法とREITの比較
REITは基本的に、株主(投資口主)から集めた資本金以外にも、銀行などの金融機関から融資を受けて不動産に投資しています。こうした負債はマイナスではなく、負債の金利よりもより高い利回りで物件運用ができるなら、より効率的といえます。ただし、借入金が増え過ぎるのは、問題で規約で制限されています。
多額の融資を受けてそれを元手として不動産に投資をしているREITにとって、デット調達コスト(資金調達コスト)というのは極めて重要な要素です。資金調達コストの上下はREITの収益性に大きく影響を与えます。
総資産総額は、REITが運用している資産の総額となります。この中には銀行等からの借り入れも含まれています。一般的には、資産総額が大きいREITほど分配金の安定性等は高いといわれています。
一方で、自己資本比率や負債比率なども合わせてチェックする必要があります。
自己資本比率というのはREITが運用している資産のうち、自己資本(投資家)からの出資分の割合を指します。自己資本比率が高いREITほど、運用が安定しています。一方で自己資本比率が低いREITは資産の多くを銀行等からの借り入れに頼っているということが分かります。
ただし、REITで高い運用成果を出すためには仕組上、他人資本(銀行からの借り入れ)に頼らざるを得ないという状況があります。そのため、自己資本だけで構成されるようなREITは存在しませんし、仮に存在しても利回り自体が著しく低くなる可能性が高いです。
REITを運営する投資法人には第三者機関による「格付け」が付与されているケースがあります。この格付けはその投資法人(REIT)の健全性をみる上で役立ちます。
AAAが最も評価が高く、AA、A、BBB、BBと続きます。
信用格付けについては「信用格付けとは」で詳しく説明されているのでこちらもご参照ください。