REIT投資講座>REITの選び方>REITの割安・割高チェック>NAV倍率
REITを比較する際など、実際の現在の取引価格(投資口価格)が割安なのか割高なのかの判断をする必要があります。REITは等判断材料が少ない、という声も聞きますが、REITの株価(投資口価格)分析方法もいくつかあります。ぜひ理解するようにしましょう。
NAV倍率は、株におけるPBR(株価純資産倍率)と似た指標です。NAVとはNet Asset Valueの略です。REITが持つ資産というのはほとんどが現金と不動産となります。その不動産の時価価格から考えるREITの価値を示すのがNAVです。さらに、そのNAVを投資口1口あたりに換算し、現在の投資口価格と比較するのがNAV倍率となります。
NAV=REITの資産-REITの負債 (いずれも時価換算)
NAV倍率=投資口価格÷1口あたりのNAV
以上で計算されます。内容はとてもシンプルです。NAVはREITの純資産を計算しています。たとえば、100億円の不動産(時価)と20億円の預金、50億円の借入金を抱えているREITのNAVは100+20-50=70億円となります。
仮にこのREITが1万口の投資口で構成されている場合、1口あたりのNAVは70億÷1万=7万円ということになります。
現在の投資口価格が6万円だとすると、
NAV倍率=6万円(現在の投資口価格)÷7万円(NAV)=0.85倍
と計算することができます。
そもそも、NAVはそのREITが持っている純資産です。つまり、このREITを解体して保有する不動産をすべて売却して清算した場合には、1口あたりのNAVの金額が投資家に戻ってくる計算になるわけです。
ということは、NAV倍率が1倍を割っている状況というのは、REITが持っている純然たる財産の総額よりも、株式市場(REIT市場)で評価されている金額の方が小さいということになります。
つまり、理屈的に考えるとNAV倍率が1倍を割れている水準というのは割安であると判断できるとということだと判断することができます。
なお、「相場環境・景気とREIT投資」でも書いておりますが、一般に相場が活況(不動産市況が好調)な際にはNAV倍率が1倍を超えて価格上昇することもあります。逆に、相場が不況(不動産市況が不調)な状況だとNAV倍率1倍という水準は強い抵抗線(上値抵抗線)として働くことが多いです。
参考サイト
下記のサイトも理解を深める上で参考になるかと思います。
・株価指標「PBR(株価純資産倍率)」の意味と読み取り方
・株価指標「PER(株価収益率)」の意味と読み取り方