REITの分配金の仕組みと受取時期

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REITは年に2回分配金を出すのが一般的です。分配金を受け取れる時期は各REITが定めている「決算日」の時点でREITを保有している投資家だけで、それ以外の時期にどれだけ長い期間保有していても権利をとることができません。ここでは、REITの分配金の仕組みや受け取るための条件など解説します。

REITと分配金

REITの決算はREITによって異なります。ここでは日本ビルファンド投資法人を例に出しながら、REITの分配金についてみていきます。

決算期:6月、12月末

としていされています。つまり、6月30日、12月31日の段階でこのREITを保有している人が「権利者」として分配金を受け取ることができるのです。この1日だけ権利者であればREITの分配金を受け取ることができるのです。

ただし、この末日に権利者となるには、「権利付き最終日」という日にREITを保有しておく必要があります。日本の株式市場では「受け渡し日」といってREIT(株)を買ってから自分の名義に変わるまでに3日(3営業日)が必要になるためです。

たとえば、2012年6月期で考えると下記のようになります。

6月26日(火)権利付き最終日:この日買えば権利がもらえる
6月27日(水)権利落ち日:この日以降は買っても権利はもらえない
6月28日(木)
6月29日(金)権利付き最終日の受け渡し日
6月30日(土)休業

末日時点で株主になる必要がありますが、最終日は土曜なので前日に繰り越されます。つまり、この場合6月29日に受け渡しを迎えることができればREITの分配金を受け取る権利があるということになるのです。

権利付き最終日:この日に買い、持ち越せば分配金を受け取る権利を得られる。
権利落ち日:この日以降は、買っても分配金を受け取れない。

 

じゃあ、権利付き最終日に買って、権利落ち日に売れば……

そうです。たった1日で投資価格の数%もの分配金を受け取る権利を得られるわけです!ヤッタネ!

とはいかないわけです。権利付き最終日や権利落ち日の存在はどの投資家も知っています。それを無視して価格が決まるわけありません。

通常は「権利付き最終日」の翌日である「権利落ち日」には分配金相当額に近い金額値下がりします。これを「権利落ち」といいます。

上の図は「SBI証券」のトレードツール、ハイパーSBIからの参考画像です。日本ビルファンド投資法人の権利付き最終日2012年6/26と権利落ち日である6/27の投資口価格の推移をみたものです。

6/26の終値(取引最終価格)は757000円で、その翌日の始値(取引開始価格)は741000円と16000円も下落しています。この下落幅を「権利落ち(配当落ち)額」などと呼びます。ちなみに、2012年6月期の分配金額(予想)は15100円ということで、近似値となっていることがわかります。

権利付き最終日に買って、翌日売るという戦略に優位性はありません。

ただ、結果だけを見ればですが、権利落ち日の終値(当日最終取引価格)は752000円と前日比-5000円ですので、その戦略を採用した上で翌日の引け値で売れば利益はでたことになります。(こればっかりは相場ですので何とも言えませんね)